回数券を出したら、患者さんがうれしそうな顔をした

Repeat & Retention

回数券を出したら、患者さんがうれしそうな顔をした

回数券はあった。でも、勧められなかった。変わったのは「通ってください」と言えるようになった日から

矢上真吾

矢上 真吾
E-Life 代表 / 鍼灸整体師

2026.03.06

回数券は、開業当初から作ってありました。父も治療院をやっていて、回数券を使っていたので、ネガティブなイメージは特になかったんです。

でも、作ってあるのに勧められない。お金をいただくことに、どこか抵抗がありました。

その壁を越えられたきっかけと、「通ってください」と言えるようになるまでの話です。

回数券はあった。でも勧められなかった

開業当初から回数券は用意していました。父も治療院で回数券を作っていたので、「あった方がいい」ということは知っていたんです。

でも、患者さんに勧めることができませんでした。

なぜか。お金をいただくということに、抵抗があったんです。施術をして、その対価をいただく。それ自体は当たり前のことなんですが、「回数券を勧める=お金をお願いしている」みたいな感覚があって、どうしても一歩踏み出せなかった。

回数券は受付に置いてある。でも自分からは案内しない。聞かれたら説明する。そんな消極的な状態がしばらく続いていました。

回数券を作ること自体には抵抗はなかった。問題は、「患者さんにお金をお願いする」ことへの抵抗でした

— ◆ —

先輩が無言で回数券を買っていった日

開業1年目の10月頃のことです。

いよいよ経営が厳しくなってきて、JC(青年会議所)も辞めようかと思っていた時期でした。そんな時、知り合いの先輩が施術を受けに来てくれていたんですが、ある日の施術後——

先輩は何も言わず、回数券をポンと買っていかれました。

無言で。

「頑張れ」とも「応援してるよ」とも言われなかった。ただ、回数券を買って帰っていった。その背中を見て、なんとも言えない気持ちになりました。

言葉にされるより重い応援でした。

— ◆ —

兄に言われた一言——「通ってくださいと言いなさい」

その翌月、11月16日。兄からこう言われました。

「しっかり通ってくださいって、言いなさい」

シンプルな一言でした。でも、この言葉が僕を変えました。

それまでの僕は、「通ってください」と言えなかったんです。施術はする。でも、「次もまた来てください」とは言えない。お金をいただくことへの抵抗が、ここにも出ていました。

兄に言われた翌日から、僕は変わりました。

「よくなるには継続した治療が必要です。まず週に1回来てください」——こう伝えるようになったんです。

すると、驚いたことに、回数券を買ってくれる患者さんが増えた

考えてみれば当たり前のことでした。患者さんは「通った方がいい」と分かっていても、治療家から「通ってください」と言われないと、なんとなく遠慮してしまう。通っていいのか分からない。その一言があるかないかで、こんなにも違うのかと。

POINT 01
「通ってください」と言えるかどうかが分岐点

回数券があっても、「通ってください」と言えなければ売れません。この一言は「売りつけ」ではなく、患者さんの体を良くするための「提案」。兄の言葉でそのことに気づきました。

— ◆ —

2年目:愚直に続けた「週1回来てください」

兄に言われた翌日から始めた「よくなるには継続した治療が必要です。まず週に1回来てください」という提案。2年目は、これを愚直に続けました

特別なテクニックではありません。ただ、毎回の施術後に、しっかりと伝える。それだけです。

「通ってください」だけだと漠然としていますが、「週に1回」と具体的に言うと、患者さんも行動に移しやすい。そして回数券があれば、その「週に1回」を続けやすくなる。

回数券が勧められなかった理由は、「通ってください」と言えなかったからでした。通うことを提案できるようになったら、回数券は自然と売れるようになりました。

— ◆ —

3年目:問診・検査・カウンセリング・施術の流れができた

3年目になると、さらに進化しました。

問診 → 検査 → カウンセリング → 施術という4つの流れを大事にするようになり、しっかりと頻度と期間を提案するようになりました。

「あなたの体の状態だと、週1回を8回続けると改善が見込めます」——こういう具体的な計画を、カウンセリングの段階でお伝えする。すると、回数券は「計画を実行するためのツール」になります。

患者さんにとっても、ゴールが見えるから安心する。「いつまで通えばいいか分からない」という不安がなくなるんです。

回数券が自然に売れる流れ

1年目:回数券はあるが勧められない。お金をいただくことに抵抗。
2年目:「週1回来てください」と具体的な頻度を提案できるように。
3年目:問診→検査→カウンセリング→施術の流れが確立。頻度と期間をセットで提案。回数券は治療計画の一部に。

— ◆ —

回数券が「安心のチケット」になる条件

回数券がただの割引チケットになるか、患者さんの「安心のチケット」になるかは、出し方次第です。

回数券が「安心」に変わる条件

1. 治療計画とセットで提案する
「回数券いかがですか?」ではなく、「あなたの体の状態だと、週1回を8回続けると改善が見込めます。そのための回数券です」と、治療計画とセットで提案する。

2. 「通ってください」と言い切る
遠慮は不要。患者さんの体を良くするために必要なことを、自信を持って伝える。曖昧な提案は、患者さんを迷わせるだけです。

3. 有効期限を適切に設定する
僕は最初、有効期限を設定していませんでした。2016年に3ヶ月に設定。ある程度の期限があった方が、患者さんも「ちゃんと通おう」というモチベーションになります。

回数券は、患者さんが継続して通いやすくなる仕組みです。継続して通えば、体は改善に向かう。だから回数券を提案することは、患者さんの健康を守る行為です。

大事なのは、「何のための回数券か」を患者さんにきちんと伝えること。それができていれば、患者さんはうれしそうな顔で回数券を手に取ってくれるはずです。

矢上真吾

矢上 真吾
合同会社E-Life 代表 / 和からだみなおし処 院長
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格3種)。元Jリーグヴァンフォーレ甲府トレーナー10年 / 臨床23年。回数券を「安心の仕組み」として活用し、リピート率を改善した経験をもとに発信しています。
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