だからこそ「やらなくていいこと」を見極めることが、「やるべきこと」に集中するための第一歩です。
僕自身が12年間で痛感した「無駄な努力」を3つ、正直にお伝えします。
努力しているのに報われない理由
開業2年目の2015年、僕は毎日朝9時から夜8時まで働いていました。1時間休憩の10時間労働です。施術の合間にブログを書き、休憩時間にSNSを更新し、夜は経理をやる。
「これだけやっているのに、なぜ売上が伸びないんだろう」
今振り返ると、答えは明確でした。やっていることの大半が、売上に直結しない「無駄な努力」だったんです。
頑張ることと、正しい方向に頑張ることは、まったく別のことでした
無駄な努力①:すべての患者さんを満足させようとする
一人治療家がまず陥るのが、「来てくれた人全員を満足させたい」という気持ちです。気持ちはわかります。僕もそうでした。
でも現実には、あなたの施術と相性が悪い患者さんはいます。治療方針に納得してくれない方もいます。「安くしてほしい」「気持ちよくしてほしい」としか言わない方もいます。
僕の場合、開業時は「鍼灸マッサージ院 和からだみなおし処」という屋号でやっていました。でも「マッサージ」と書くと、「気持ちよくしてほしい」「安くやってほしい」という方が来てしまった。そこで「はりきゅう整体院 和からだみなおし処」に変えました。それだけで、来る患者さんの質が変わりました。
「全員を満足させる」のではなく、「自分の施術を本当に必要としている人に、全力を注ぐ」。屋号を変えるだけでも、来る患者さんの層が変わります。その結果、施術の質も、患者さんの満足度も、自分の充実感も上がりました。
無駄な努力②:技術セミナーに通い続ける
これは誤解されやすいので先に言います。技術を学ぶこと自体は大切です。問題は「学ぶこと」が目的になってしまう状態です。
毎月のようにセミナーに通い、新しい技術を学ぶ。でも、それを実際の臨床に落とし込めていない。使いこなす前に、また次のセミナーに行く。こういうパターンに陥っている治療家は少なくありません。
技術は、1つを徹底的に磨いた方が強い。10個の技術を浅く知っているより、3つの技術を深く使いこなせる方が、患者さんの信頼を得られます。
「新しい技術を学ぶ」より「今持っている技術の精度を上げる」。セミナー代を半分にして、その時間を臨床の振り返りと練習に充てる。その方が、施術の満足度は確実に上がります。
無駄な努力③:全部一人でやろうとする
一人治療家だから、全部自分でやらなきゃ。僕もそう思っていました。
受付、電話対応、会計、清掃、タオルの洗濯、予約管理——施術以外の仕事が山ほどあります。その全部を一人でやっていたら、施術に集中できるわけがありません。
僕が変えたのは、受付・アシスタントを入れたことです。雑務を任せられる人がいるだけで、施術に集中できる環境が整いました。
「一人治療家=全部一人」ではない。施術は自分にしかできない。でも受付や雑務は、任せられる人に任せた方がいい。「自分しかできないこと」に集中するために、「自分でなくてもいいこと」を手放す。これが一番の近道でした。
「やめる」と決めた後に起きたこと
この3つの無駄な努力を見直した結果、売上に明確な変化が起きました。
屋号を変え、受付を入れ、施術に集中できる環境を整えた。その結果、売上は89万円から124万円へ。
空いた時間で何をすべきか
無駄を削ぎ落として空いた時間は、3つのことに使うことをおすすめします。
1. 既存患者さんとの関係を深める(フォローの連絡、セルフケア指導の充実)
2. 目的を明確にしたSNS発信(週に3回、テーマを決めて投稿)
3. 自分の体と心を休める(治療家が疲弊したら、誰も幸せにならない)
一人治療家の最大の資産は「時間」です。その時間を、正しい方向に使えているか。一度立ち止まって考えてみてください。

