売上の公式を知った日から、経営の見え方が変わった

Marketing & Practice Growth

売上の公式を知った日から、経営の見え方が変わった

2年目の大晦日、兄に教わった3つのレバー。それまで僕は1つしか動かしていなかった

矢上真吾

矢上 真吾
E-Life 代表 / 鍼灸整体師

2026.03.18

月商89万円。どれだけ努力しても、そこから先に進めない日々が続いた。

原因は技術でもなく、立地でもなかった。「売上の仕組み」を理解していなかっただけだった。開業2年目の大晦日、兄から教わったシンプルな公式が、その後の経営をすべて変えた。

月商89万円で、ぴたりと止まった2年間

開業2年目、月商89万円まで伸びた。人脈ゼロからのスタートだったことを思えば、これは本当に嬉しい数字だった。予約率も高く、患者さんとの関係も温まっていた。

でも、そこから先に進めない。何度チャレンジしても、90万円の壁が越えられない。

「この町の規模的な限界なのかな」。いつしかそう思うようになっていた。

でも本当の原因は、まったく別のところにあった。

— ◆ —

大晦日に兄が教えてくれた公式

2年目の大晦日。実家で家族と年越しを過ごす中、経営の話になった。僕が言い訳を並べた後、兄は静かに言った。

「お前は、根本的に売上の仕組みが分かっていない」

そしてシンプルな公式を教えてくれた。

売上 = カルテ枚数 × 単価 × 来院頻度
「お前が今できているのは、カルテ枚数を増やすことだけだ。
売上を上げる方法は、あと二つある。単価頻度も、まだまだだ」

目から鱗が落ちた。シンプルすぎる。なのに、なぜ今まで気づかなかったのか。

「世の経営者は、こうやって数字を分解して考えているのか」。その瞬間、僕の頭の中に初めて「経営の地図」が広がった感覚があった。

— ◆ —

3つのレバー:それぞれの意味と動かし方

この公式には、売上を動かす3本のレバーが入っている。それぞれ独立して動かせる。

01
カルテ枚数
新規患者数。集客・紹介・SNS・チラシで増やす。最もわかりやすいが、一人治療院では上限がある

02
単価
1回あたりの施術料金。技術・価値の見せ方・メニュー構成で変わる。田舎でも上げられる

03
来院頻度
1人の患者さんが月に何回来るか。提案の仕方一つで変わる。最も見落とされているレバー

3つのうち、どれか一つを2倍にすれば売上は2倍になる。全部を1.3倍ずつ改善すれば、2.2倍になる。

これが「地図」の意味だ。どこに向かえばいいか、何を変えればいいかが、はっきり見える。

— ◆ —

僕が2年間、動かしていなかったレバー

兄の話を聞いて、すぐに気づいた。

僕が2年間やり続けていたのは、「カルテ枚数を増やすこと」だけだった。人に会い、頭を下げ、サッカーコミュニティに入り、新規患者を増やす努力を積み重ねてきた。

でも「単価」と「来院頻度」には、ほとんど手をつけていなかった。

なぜ「単価」と「頻度」を触らなかったのか

単価を上げることへの罪悪感。「週2回来てください」と言えない恐怖。これらはマインドセットの問題だった。やり方ではなく、考え方が変わっていなかった。

「田舎だから売上が上がらない」と思っていた。でも、田舎が影響するのはカルテ枚数(新規患者の数)だけだ。単価と来院頻度は、場所とは関係ない。今いる患者さんとの関係の中で、いくらでも動かせる。

僕がずっと「田舎の限界」と呼んでいたのは、実はレバーを一本しか触っていなかった自分の問題だった。

— ◆ —

3年目に全部同時に変えた結果

地図を手に入れた僕は、3年目の年明けに4つの改革を一度に断行した。

週休2日・8時間労働に縮小しながら、施術を30分に短縮し、週2回の来院を提案する。単価と頻度を同時に動かす挑戦だった。

110万円
改革初月の月商
2年間越えられなかった89万円の壁が、翌月にあっさり突破された。
レバーの存在を知っているだけで、経営はこれだけ変わる。

しかも、労働時間を減らした状態でこの数字が出た。

「地図」があれば、闇雲に走らなくていい。どのレバーを、どれだけ動かすかを考えながら動ける。その違いは、想像以上に大きかった。

— ◆ —

あなたは今、どのレバーを触っていますか?

「売上を上げたい」と思っている治療家のほとんどは、「新規患者を増やす方法」を探している。

それは正しい。でも、もし今すでに患者さんが来ているなら、別のレバーに目を向けた方が早いかもしれない。

Self-check
カルテ枚数・単価・来院頻度。
この3つの中で、あなたが意識して動かしているのはいくつですか?

一つだけなら、伸びしろは二つある。二つなら、一つある。三つすべてを意識して動かしているなら、あなたはすでに経営者として正しい方向を向いている。

「どうすれば売上が上がるかわからない」という状態は、地図を持っていない状態だ。まずこの公式を手帳に書いてみてほしい。それだけで、見え方が変わるはずだ。

矢上真吾

矢上 真吾
合同会社E-Life 代表 / 和からだみなおし処 院長
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格3種)。元Jリーグヴァンフォーレ甲府トレーナー10年 / 臨床23年。千葉県館山市で開業し、売上の公式を知った3年目に月商100万円を初突破。治療家の経営・マインドについて発信しています。

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