ひとり治療院の集客は、市役所とコミュニティから始めました

はじめに|看板を見てフラッと入ってきた人は、13年で5人もいません

こんにちは、矢上真吾です。

合同会社e-lifeの代表をしております。ひとり治療院AI自立化サポートをやっている鍼灸師です。

今回は集客の話です。広告のテクニックの話ではありません。コミュニティのない土地で開業した人間が、実際に何をやったかという話です。

僕の院は、通りから奥まったところにあります。目立つ場所ではありません。看板を見てフラッと入ってきた方は、開業して13年で5人もいないと思います。

これは開業してから気づいたことではなくて、始める前からある程度分かっていました。何もしなければ、誰も来ない場所です。

だから、自分で動き出しました。今日話すのは、そのときにやったことと、途中で気づいて考え方を変えたことです。

1. 前提|コミュニティがない状態での開業でした

先に前提を書いておきます。

僕が開業した千葉県館山市は、妻の地元です。ただ、妻の知り合いも本当に少なかった。みんな出ていってしまう。そういうことが多い土地だったので、そこにもあまり期待はできませんでした。

僕自身にとっては、初めて行く土地です。つまりコミュニティがゼロの状態での開業でした。

ですので、ここから書くことは、本当の移住で開業する方にも、そのまま当てはまる話だと思います。

2. やったことは、二本立てでした

ひとり治療院の集客の二本立て。一本目は市の移住促進・開業支援窓口、二本目は地域の団体

やったことは、二つです。

  1. 市に問い合わせる(移住促進・新規開業支援の窓口)
  2. 地域の団体に顔を出す(倫理法人会・JC・PTA・競技団体)

この二本立てです。順番も、この順番でした。

3. 一本目|まず市に問い合わせる

市の移住促進窓口から市議会議員、サッカー協会、スポーツ推進委員へと繋がっていった流れ

3-1. 伝えたのは「仕事がほしい」ではなく「コミュニティが欲しい」

僕がやったのは、市への問い合わせでした。その地域にある移住促進の事業に、まず当たりました。

そこで最初に伝えたのは、コミュニティが欲しいということです。仕事を紹介してほしい、ではありません。

もう少し具体的に伝えました。僕自身のバックボーンとしてサッカーチームのトレーナーをしていたので、スポーツ、特にサッカーに詳しい方を紹介してほしい、と。

3-2. 市議会議員から、サッカー協会、スポーツ推進委員へ

そうしたら、その方から市議会議員の方を紹介していただきました。スポーツに力を入れているという議員の方が2人です。

そこから、市のサッカー協会の方を紹介していただいたり、それがきっかけでスポーツ推進委員になれたりしました。

ポイントは、紹介していただいた相手の選び方だったと思います。僕自身のバックボーンを活かせること。そして、僕と知り合ったらありがたいなと思ってくれるような方。そこを伝えたので、そういう方を紹介していただけて、そこからどんどん繋がっていきました。

3-3. 開業支援の補助金も、そこから出てきた

補助金の話も、そこから出てきました。市の新規開業支援の補助金は、実際にいただいたと思います。

市の移住促進、もしくは新規の開業支援といった窓口は、だいたいどこの市にもあると思います。

市からしたら、新しく意欲のある方がいたら応援したいと思ってくれるのは、当然だと思います。市のイベントに呼んでくれたり、スポーツ推進委員のような非常勤の形にしていただいたり、いろんな方に繋いでいただいたり。そういうことが起きます。

3-4. 大前提は「こちらから行く」

ただ、大前提として、こちらから行くことが大事です。

お話があったらすぐに飛んで駆けつける。時間を作って会いに行く。それはやっていったほうがいいと思います。

知っていただいて、来ていただく。そこが第一の前提です。そのうえで、必要な方に届いていくということが起きる。知っていただけなかったら、どうにも始まりません。

4. 二本目|地域の団体に顔を出す

地域の集まりで、地元の経営者たちと並んで話を聞いているところ

4-1. 倫理法人会(年齢制限なし)

市がきっかけではあったのですが、地域にはいろんな団体があります。そこに顔を出しに行くのがいいと思います。

年齢制限がないもので言うと、倫理法人会はすごくいいと思います。だいたいどの地域にもあって、その地域の中小企業の社長の方々を中心とした集まりです。

純粋倫理というものを学びに行く集まりなのですが、倫理的になろう、良いことをしようと思っている方々が多い集まりです。そこに、新しく事業を始めました、頑張りたいですという人がいたら、応援したいという気持ちが働くのではないかと、今になっては思います。実際に足を運んでくれる方も、そこから結構いました。

もちろん、本来は純粋倫理を学びに行くところです。しっかりとそのコミュニティの趣旨を理解して、営業しに行くのではなく学びに行く。月会費も当然かかりますから(月1万円ほどです)、そこもちゃんと把握したうえで、しっかり活動する。

そうしていくと、やっぱり人は顔を知っている人に身体を見てもらいたい、信頼している人に見てもらいたいと思うものです。それは人間の気持ちとして、あると思います。

4-2. JC=青年会議所(40歳まで)

もうひとつが、JCです。青年会議所のことで、こちらは40歳までの集まりになります。

若手経済人が、地域を明るく豊かにするための活動をする団体です。同世代の方が多いので、仲間になっていきやすい集まりだと思います。

4-3. PTA・競技団体

僕はそれ以外にも、PTAをやりましたし、サッカー協会にも顔を出していました。子どもがサッカーをやらなくなったので、そこからは少し足を抜いてしまいましたが、その後はライフセービングのほうにも行きました。

お子さんが小学校・中学校・高校にいるのであれば、そこでPTAをやっていくのも、本当に一つの手だと思います。

5. いちばん大事なこと|営業しに行ってはいけない

会費を宣伝広告費として見ていたときと、研修費として見直したあとの違い

5-1. 最初は「仕事のためにやっています」という出方をしていた

何度も言いますが、営業してはだめです。

集客の方法としてリアルのコミュニティに顔を出すのですが、自分から、仕事のためにやっていますという出方をしてしまう。最初は僕も、そうでした。

でも、そうじゃないなと。

その活動の趣旨をちゃんと理解して、趣旨に沿って活動していくと、結果として周りに仲間がついてくる。仲間がついてくると、何かあったときに僕自身も頼りますし、相手が何かで困ったときには、選択肢に入ってくるのではないかと思います。

直接的な営業ではなく、間接的に営業になっている。とにかく顔を知ってもらうことが大事なのだと思います。

5-2. 広告費のつもりで払っていた会費を、研修費だと思い直した

僕は本当にいろんなコミュニティに顔を出しましたし、そこにお金も使いました。

会計上、宣伝広告費という名目にはなりません。それでも、気持ちとしてはそういう項目で言っていました。

ただ、途中で気づきました。違うな、と。違うぞ、と。

そこで、自分自身を見つめ直す研修費として考えて、勉強のつもりでまず行動する。そうして、結果的にそのコミュニティの趣旨に沿った活動をすることで、仲間が増えていきます。

仲間が増えていくと、地元で開業しているのと似たような感じになるのではないかと思います。

6. 全部のところに、いい顔はできませんでした

いくつもの集まりを掛け持ちして、どこにもいい顔をしようとしていた頃

とにかく、そのコミュニティで本気で活動ができる場所を探して、本気で活動する。

ただ、全てのところに、いい顔はできません。

僕も最初はいい顔をしようと思ったのですが、やっぱりどうにもできないものはありました。そこは申し訳ないという気持ちもありつつ、コミュニティを去っていくことは繰り返してやってきました。

数を増やすより、本気で活動できる場所を選ぶ。そちらのほうが結果的には良かったと思っています。

7. 今日から始める3ステップ

今日から始める3ステップ。市の窓口に問い合わせる、自分のバックボーンを棚卸しする、一つの団体に本気で入る

これから新しい土地で開業する方、開業して間もない方に向けて、順番を3つに整理します。

ステップ1|市の窓口に問い合わせる

移住促進、または新規開業支援の窓口です。用件は「コミュニティが欲しい」。仕事の紹介ではありません。補助金の情報も、たいていここで一緒に出てきます。

ステップ2|自分のバックボーンを棚卸しする

紹介してもらうには、こちらの手札が要ります。競技歴、前職、資格、家族の縁。それを活かせる先と、自分と知り合ってありがたいと思ってくれる人はどこか。そこまで言語化してから相談に行きます。

ステップ3|団体をひとつ選んで、本気で入る

倫理法人会、JC、PTA、競技団体。全部には行けません。ひとつ選んで、その趣旨に沿って本気で活動する。会費は、広告費ではなく研修費として見る。

まとめ|集客は、その地域に本気で生きると宣言する行動

正直に言うと、当時の僕はごちゃごちゃでした。集客のためでもあるし、自分と似たような境遇の仲間を探すための活動でもあった。

結果的には、それが生活に結びついて、地域密着の仕事をするということは、みんなで助け合っていくことなのだと思うようになりました。昔ながらの寄り合いのような感覚なのだと思います。

それを作れるかどうかが、新しい土地で生きていくうえではすごく大事です。

集客をするというのは、多分その地域に本気で生きるということを宣言していく行動です。

プッシュの営業ではないけれど、結果的に営業になっていく。僕の存在を知っていただくための活動に入って、本気で活動する。その姿で人となりを知っていただいて、信頼に値するかどうかを見ていただく。

それは今も変わらずやっています。時代があって、そこでやれることは変わってくると思います。

下心があってスタートするんです。そのあとで気づけるかどうか。本気でやるぞということをやっていくと、信頼していただけるのではないかと思っています。

用語一覧

  • 移住促進事業…市町村が移住者の相談・紹介・支援を行う窓口や事業のこと
  • 倫理法人会…一般社団法人倫理研究所の法人会員組織。地域の経営者が純粋倫理を学ぶ集まり
  • 純粋倫理…倫理研究所が提唱する生活上の実践原則
  • JC…Junior Chamber。青年会議所。40歳までの若手経済人が地域のために活動する団体
  • スポーツ推進委員…市町村から委嘱される非常勤の職。地域のスポーツ振興を担う
  • ドブ板…一軒ずつ足で回る、地域密着型の活動のたとえ

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矢上真吾について

鍼灸師歴24年。合同会社e-life代表。和からだみなおし処 院長。著書5冊。
ひとり治療院のAI自立化サポートをやっています。コンサルに頼らず、院長自身がAIを使って集客・仕組み・経営を回せるようになることを目指しています。

この回は音声でも配信しています。ポッドキャストで聴く