
はじめに|本を2冊、同時に出します
こんにちは、矢上真吾です。
合同会社e-lifeの代表をしております。ひとり治療院AI自立化サポートをやっている鍼灸師です。
今日は、本をまた出します、というお話をします。しかも今回は、2冊同時です。
先に、この記事でいちばん言いたいことを書いておきます。
24年持ってきた「あん摩マッサージ指圧師」という資格を、僕はいま、はじめて調べ直しています。そして調べるほど、自分がやってきたことは、本当はこの資格のままでできたのだと分かってきました。
これは、そういう本です。
※ この記事は、ポッドキャストで話した内容を記事にしたものです(Spotifyで聴く)。
1. きっかけは、保健所での指摘でした
法人成りの手続きで、看板を指摘されました
ことの発端は、法人成りです。
合同会社e-lifeという会社に、本業の和からだみなおし処を入れました。個人事業から法人へ、運営を移したということです。13年目にしての法人成りでした。
そうすると、個人事業としての廃業の届出と、新しく開設の届出を出す必要があります。それで保健所に行きました。
そこで、看板の名称について指摘を受けました。
言い方はとても丁寧でした。責められた感じはまったくなかったです。ただ、指摘されたのは事実で、僕はそこから看板と屋号を直しはじめました。
13年目に「鍼灸マッサージ院」へ戻しました
長いこと、僕は「はりきゅう整体院」と名乗っていました。それを「鍼灸マッサージ院」に戻しました。
戻す、という言い方をしているのは、こちらが本来の名前だからです。持っている資格そのままの名前に、13年目にして帰ってきたことになります。
その直しは、だいぶ終わりました。看板、ホームページ、印刷物、地図情報。細かいところが山ほどありましたが、ほとんど手が入りました。
そして、その作業の途中で、僕は思ったんです。
そもそも僕は、この資格が何なのかを、ちゃんと知らないままここまで来たな、と。
2. 調べ直して、いちばん驚いたこと
やってきたことは、この資格のままでできた
調べ直して、いちばん驚いたのはここです。
僕がこの13年やってきたことは、ほとんど全部、あん摩マッサージ指圧師という資格の中でできることでした。
別の名前を看板に乗せる必要は、本当はなかったんです。中身は最初から、資格の中にありました。遠回りしていたのは、看板に書いた言葉のほうだけでした。
そう分かったときの気持ちは、悔しさよりも、ちょっと恥ずかしさに近かったです。24年もやっていて、自分の資格の輪郭を知らなかった。
調べるほど、素敵な資格だと思うようになりました
もうひとつあります。調べれば調べるほど、この資格は素敵なものだな、と思うようになりました。
歴史がしっかりある。技の系統がはっきりある。国が資格として認めるまでに、人が動いた経緯がある。
自分が毎日やっている手の仕事に、そんな長さの背景があったのかと。指摘を受けて追い詰められて、その勢いで調べたら、出てきたのは誇りのほうでした。
だから本にします。せっかく調べたので、僕の中だけに置いておくのはもったいない。
3. 1冊目|技の来歴(第1章〜第5章)

第1章|あん摩・マッサージ・指圧は、別々の場所から来た
まず、ここが本のいちばんの入口です。
「あん摩マッサージ指圧師」という資格名は、ひと続きの言葉に見えます。でも中身は、出身地の違う三つの技が並んでいるだけなんです。
- あん摩は、中国から来ました
- マッサージは、フランスから来ました
- 指圧は、日本で生まれました。ただし日本にもともとあったものと、アメリカから入ってきたものが合わさっています
僕はこれを、資格を取ってから20年以上、はっきり言葉にできていませんでした。学校で習ったはずなのに、答えられなかった。
第2章|あん摩の900年
2章は、あん摩です。
中国の古い医学書から始まって、江戸時代の古方あん摩まで。ざっと900年ぶんの流れを追いかけます。
この長さが、僕には効きました。いま自分がやっている手技の型は、思いつきで始まったものではないんだな、と。
第3章|なぜマッサージは、フランス語で入ってきたのか
3章はマッサージです。
「マッサージ」という言葉は横文字です。当たり前に使っていますが、なぜ横文字なのかを僕は考えたことがなかった。
ここはフランスから始まります。そこからスウェーデンなど、何カ国かを経由して広がっていって、日本に入ってきます。国をまたぐたびに、少し形が変わりながら伝わっていく。その道筋の話です。
第4章|指圧は、日本製のハイブリッドです
4章が、いちばん面白かったところです。
指圧は日本で生まれた技です。ただ、純日本産ではありません。あん摩の手に、アメリカの頭を乗せたという言い方がしっくりきます。
ここに入っているのは、この3つです。
- カイロプラクティック
- オステオパシー
- スポンディロセラピー(いまはもう残っていません)
3つめは、僕も今回はじめて知りました。当時アメリカにあって、いまは消えている理論です。消えたはずの考え方が、日本の指圧の中にまだ残っている。そういうことが起きています。
第5章|指圧の、日本側のルーツ
5章は、その日本側です。
あん摩とは別に、日本にもともとあった手当ての系譜があります。指圧はそこにも足をかけています。4章がアメリカ側の話なら、5章は日本側の話です。
4. 1冊目|制度の来歴(第6章〜第10章)

ここから後半です。技の話から、制度の話に切り替わります。
第6章|国家資格になるまで
この仕事が国家資格になるまでの経緯です。ここも戦後、アメリカが関わってきます。
第7章|隣にある「整体」の話
7章は、僕が長らく看板に乗せていた言葉の話です。
僕は「はりきゅう整体院」と名乗っていました。それを今回やめました。
ただ、調べていて知ったことがあります。この分野にも、国家資格を作ろうという動きが実際にあったんです。結果としてそうはならなかったわけですが、動きそのものはあった。
そこを知ると、いまの線引きの見え方が少し変わります。線は、はじめからそこにあったのではなくて、引かれた経緯があってそこにあるんだなと。
第8章|名称独占と業務独占
8章は、正直に言って難しいところです。僕も何度も読み返しました。
資格の守り方には2種類あります。名前を守る型と、仕事そのものを守る型です。
- 僕らあん摩マッサージ指圧師は、業務独占です
- 理学療法士は、名称独占です
同じ「国家資格」というひとことでまとめられますが、守られている中身が違います。ここを混ぜたまま話すと、話がずっとかみ合いません。8章では、ここをはっきりさせます。
第9章|広告制限
9章は広告制限です。今回のすべての発端になったところです。
ここは分量が多くなったので、結局もう1冊に分けることにしました(後で書きます)。
第10章|理学療法士との違い
10章は、理学療法士との違いです。8章の名称独占と業務独占の話が、ここでつながります。
終章|これから
そして終章です。
技の来歴、制度の来歴、そしてこれから。この順番で、全体をひとつの流れにしています。
5. もう1冊|広告制限の実務記録

条文の整理ではなく、僕の記録です
2冊目は、広告制限のほうです。
こちらは、僕が保健所で指摘を受けてから、実際にやってきたことをそのまま書きます。条文の解説書ではありません。
今回、保健所の方と何度もやり取りをさせていただきました。そのなかで、ここまでは大丈夫、ここからは良くない、というところをはっきり教えていただきました。
おかげで、いまはクリアな状態で仕事ができています。それが本当にありがたいです。
地域の方と一緒に作っていく
この件を通して、あらためて思ったことがあります。
地域の方々と一緒になって、いいものを作っていく。これがすごく大事だな、と。
指摘は、止められたのではなく、ここまでやっていいと線を教えてもらったことでした。線が見えたので、その中で堂々とやれます。そのやり取りの記録が、そのまま2冊目になります。
6. いま68,000字。あと1週間で固めます
進捗も書いておきます。
すでに書けているのが、68,000字から70,000字くらいです。ここからやることは、方向を決めるだけになっています。
- もう少しコンパクトにまとめるか
- もう少し深掘りして厚くするか
あと1週間ほどで、ある程度固めます。出すのは8月の終わり、もしくは9月の初めを見ています。
7. 作り方|喋って、壁打ちして、本にする
ポッドキャストが、そのまま素材になっています
この本の材料は、ここ最近の朝のポッドキャストです。
いま毎朝、この話をしています。それを文字にして、まとめていく。つまり僕は、話しているうちに本を書いていることになります。
最近、ポッドキャストがすごく楽しいです。
Claudeと壁打ちして、台本を作ります
手順はこうです。
まずテーマを決めます。そのテーマでClaudeとやり取りをします。「とにかくこういうテーマでやりたいんだ」と投げて、何度か壁打ちをして、そこから台本を作っていきます。
この壁打ちが、僕自身の勉強になっています。ひとりで調べていたら、たぶんこの量は無理でした。喋る前に整理して、喋りながらまた気づいて、それを書く。この形が、いまいちばん回っています。
自分がずっと関わっている仕事で、これからも関わり続けていきたい仕事で、誇りに思っている仕事です。その良さを、もっと広められるようにしたいと思っています。
次は、はり師・きゅう師の仕事を掘ります
この2冊ができたら、次ははり師・きゅう師のほうを掘りたいと思っています。
あん摩マッサージ指圧でこれだけ出てきたので、鍼と灸のほうも同じくらい出てくるはずです。そちらも楽しみにしていてください。
8. おまけ|Cloudflareへの移行が、だいぶ進みました
最後に、進捗の報告をひとつ。
先日から書いている脱WordPressの移行が、だいぶ進みました。ほぼWordPressからCloudflareに移せたのかな、というところまで来ています。
予約システムも移りました。これまで別の場所で動かしていたものを、同じところに寄せました。
残っているのはドメインです。僕はいま使っているサーバーの会社でドメインを取ったので、これを移せるのかどうか、まだ分かっていません。ここができれば、全部Cloudflareで一元管理になります。そうなれば、ランニングコストもかなり落ちます。
非エンジニアの僕でも、ここまで管理が簡単にできて、ホームページも自分で運用できる時代になっています。そこも、楽しみにしていてください。
まとめ|追い詰められて調べたら、出てきたのは誇りでした
- 保健所で看板を指摘され、屋号を「鍼灸マッサージ院」に13年目で戻した。その作業中に、自分の資格を知らないままだったと気づいた
- 調べ直したら、やってきたことはほとんどこの資格の中でできた。遠回りしていたのは看板の言葉だけだった
- 「あん摩マッサージ指圧師」は、出身地の違う三つの技が並んだ名前。あん摩は中国、マッサージはフランス、指圧は日本+アメリカ
- 指圧はあん摩の手にアメリカの頭を乗せたハイブリッド。カイロプラクティック、オステオパシー、いまは残っていないスポンディロセラピーが入っている
- あん摩マッサージ指圧師は業務独占、理学療法士は名称独占。同じ国家資格でも守られている中身が違う
- 本は2冊同時。表が技と制度の来歴、裏が広告制限の実務記録。いま68,000字、8月末から9月初めに出す
指摘されて追い詰められて、その勢いで調べました。出てきたのは、言い訳ではなく誇りのほうでした。
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矢上真吾について
鍼灸師歴24年/合同会社e-life代表/和からだみなおし処 院長/著書4冊。千葉県館山市で鍼灸マッサージ院を13年、その横で「ひとり治療院AI自立化サポート」をやっています。この回のポッドキャスト(Spotify)でも同じ話をしています。
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