
はじめに|昔は全部、業者さんに頼んでいました
こんにちは、矢上真吾です。ひとり治療院AI自立化サポートをやっています。
今回は、鍼灸院の院長が、ホームページ・予約システム・SNSを全部自分で回せるようになるまで、というタイトルでお話しします。実は今回は新しい試みとして、動画も撮りながら話しています。YouTubeに収められたらいいな、と思いながら作っています。
僕は千葉県館山市で、鍼灸マッサージ院をやっています。13年目です。
昔は、全部業者さんに頼んでいました。いまは、ホームページも、LINEの予約も、オンライン予約も、さらに言うとSNSの運用も、全部自分で回しているという状況です。今日は、そこに至るまでの道のりと、このチャンネルでやっていくことをお話しします。

1. 僕のこと
矢上真吾と言います。千葉県館山市で鍼灸マッサージ院を開業して、13年目になります。臨床で言うと24年目です。これまで、のべ5万人以上の方を見させていただきました。
2004年から2013年までは、Jリーグのヴァンフォーレ甲府というチームで、トレーナーを10年やらせていただきました。この10年の間に、J1昇格が3回、J2降格が2回、J2優勝が1回。本当にジェットコースターのような10年間を過ごさせていただきました。
YouTubeは2018年から始めました。いまは「40代からの身体逆転チャンネル」という名前でやっていて、登録者は1万600人を行ったり来たりしています。
甲府のあと、なぜ館山で開業したのか。館山は、妻の地元なんです。順番で言うと、最初に妻が地元に帰りたいと言って、館山に帰ることが決まっていました。そこで僕にできたことが、開業だった。そういう順番です。

2. 最初の半月は、17人で6万円でした

開業は、2014年の1月14日です。最初の1か月はプレオープンとして、金額を落としてやろうと決めていました。その途中、半月の売上が6万円でした。
館山は妻の地元ですが、妻の同級生たちも高校を出ると、みんな外に出てしまっています。妻自身も、一度出ていました。なので、仲のいい友達がこの町にいるわけではなく、そういうところはあまり当てにできませんでした。妻のお父さん、お母さんの実家で開業させていただけたのは、すごくありがたかったです。ただ、自分の知り合いはいませんでした。
どうやってやっていけばいいのか、というところから始まって、17人の方が来てくれました。それは僕の中では、すごい快挙だなと思っていました。でも売上で言うと6万円。これはどうだったのかな、と思ったのが最初の1つ目です。
そこからは、もう人に会っていくしかないな、と思いました。自分の持てる時間は全部使って、いろんな人に会いに行きました。
- サッカー関係の人
- 経営者の集まり、若者の集まり
- 家庭倫理の会、政治塾
- お祭りへの出展
- 本当に小さな集落の卓球大会に、ベッドを出してみる
そうやっていろんなことをやらせていただいて、7月までは順調に売上が上がっていきました。
3. 「お前は、仕事を放棄してるぞ」

ところが、8月、9月、10月と売上が下がっていきました。これはいよいよまずいぞ、と思ったときに、なぜ売上が上がらないのかを考えました。
結局、根っこにあったのは、お金に対するマインドブロックでした。
僕は10年間、Jリーグのトレーナーをしていました。それは裏を返すと、10年間、患者さんと直接お金のやり取りをしてこなかったということです。なので、お金を直接いただくことに、すごく抵抗感がありました。そこをなかなか乗り越えられませんでした。
そのときに、兄に言われました。
お前は、仕事を放棄してるぞ。良くなるには、継続してやっていかないと良くなっていかない。だから、ちゃんと通院指導をしなきゃダメだ。
兄からとにかく通院指導をしなさいと言われて、翌日から通院指導をしました。そうしたら、逆に患者さんから喜ばれました。「そうですよね、通ってきます」という方が、どんどん増えていきました。
兄に言われた次の月、売上は1.6倍になりました。これが、僕が最初にぶつかった壁だったかな、と思います。
4. 予約率8割でも、月100万には届きませんでした
2年目は、すごく順調でした。予約率も8割ぐらいまで行きました。それでも売上で言うと、月100万円を突破できず、年間1,000万円も突破できませんでした。予約率が8割を超えていたので、この地域ではよくやったほうなんじゃないか、と思っていました。
ここでまた、兄に言われました。僕にとって、兄はかなりのメンターなんです。「お前、それは仕組みが分かってないぞ」と。そこで仕組みを学ばせていただいて、3年目に、無事に月商100万円を突破しました。
ただ、そのときは月商200万円を目指すセミナーに参加していました。100万円は到達点じゃない、まだまだ通過点だ、ということで、ずっと200万円を目指しました。
結果的には、最高月商は140万円です。これは今もたぶんそうです。回数券の入りなどを含めた治療院の売上だと150万円が最高で、実際に患者さんを見た分で言うと140万円が最高でした。仕組みを得てからはすごく良かったんです。でも、どうしても200万円というところまでは、まったく絵が浮かべられませんでした。
5. 台風とコロナで、売上が半分になりました
2019年には、自主開催で5回連続の講演会をやっていました。その年の9月、この地域に台風が来ました。本当に甚大な被害が出て、衣食住の「住」がどうにもならなくなってしまったんです。売上は6割ぐらい下がりました。そこから徐々に持ち直していきましたが、12月末の年内で9割ぐらいまでしか戻せませんでした。
そのまま2020年に入って、コロナが来ました。この地域は本当にステイホームになって、売上が半分になりました。
自分ではどうにもできないことで、売上は下がるんだな、と。本当に売上を上げることが正解なのか。そこが自分の中で揺らいだ時期でした。
ここで感じたのは、攻撃ではなく、守りが大事だということです。経費を落とすことをすごく意識するようになったのが、2020年の後、2021年ぐらいです。
ただ、ここはまだまだ揺れている時期でした。経費を落としながらも、自己啓発のセミナーにも参加していました。その参加先が、国を代表するような企業の社長がいるような、どんどん伸ばしまくっている社長がいるようなセミナーでした。2021年、2022年あたりは、伸ばしていったほうがいいのか、組織を大きくしたほうがいいのか、それとも経費を落としてミニマムでやっていったほうがいいのか。この辺りを、すごく揺れていた時期だったと思います。
6. JCを卒業して、拡大をやめました

そんな中で、JCを卒業する日を迎えました。これが、生き方を変える1つのきっかけでした。
JCは、僕にとってすごく大きい出来事です。この地域で仲間ができた、かけがえのない団体でもあり、人間的にも成長させていただいた、すごく大事な期間でした。でも、40歳で卒業なんです。
次にどうしていこうか。また別の組織に入っていく、というのも1つの選択肢としてありました。でも、よくよく考えたら、長女が小学6年生でした。下の子は4歳ぐらいのタイミングでした。
いや、家族と過ごせる時間は、もしかしたらもうないぞ、と思いました。これはいったん外に出るのはやめて、家族と向き合おう。仕事以外は、全部家族に全振りしよう。そう、生き方を変えました。
そのためには、もちろん仕事は大事にやります。ただ、大きくするということとは、ちょっと結びつかなくなってきました。自分が本当に大事にしたいところを、大事にできる環境を作りたい。そう思ったのが、拡大をやめた理由です。
拡大路線を勧めるようなところには行かない、ということで、いろんな組織やセミナーに行かなくなりました。比べるということから、そこで降りた感じです。
僕は個人的に、負けず嫌いだし、ポジティブだし、向上心があります。どこに行っても、結構目立つことができていました。でも、そうじゃないな、とこのときは思いました。とにかく、自分が幸せになれる空間を作っていこう。それを模索し始めたのが、2023年ぐらいからだと思います。ちょうどこのとき、PTAの会長もやらせていただいて、子どもに関わることを増やせたのは、すごくありがたかったです。
7. ホームページを自分で触っても、完成しませんでした
この頃、経営的には、自分でいろんなことができるようにならなきゃいけないな、と思っていました。それで、ホームページも自分で編集しました。WordPressです。
でも、すごく難しくて、素人にはなかなかできません。もちろん仕事もしています。僕らは自分が施術者ですから、患者さんを見ている間は、100%そこに振り切ります。パソコンの前に座る時間は、そんなにありませんでした。家族を大事にすると決めたので、パソコンだけの時間を作るわけにもいきません。仕事の時間の中だけでやっていきました。
それで自分で編集するようになったんですが、完成とはほど遠いものになってしまいました。もうしょうがないな、と思いながら、SNSも自分で頑張って運用していました。でも、できるときとできないときがありました。
8. Claude Codeで、世界が変わりました

これの風向きが変わったのが、ちょうど去年です。AIが、かなり賢くなってきました。ChatGPTが、これはだいぶ来てるぞ、と分かってきた頃です。
ホームページのリライトをやってもらうようになったら、かなり良くなりました。僕が想像していたことが、全部できるようになってきた。それが去年の途中ぐらいからで、そこからようやく、ホームページが完成に向かっていきました。
本も、そこで初めて出せました。最初の本は、たぶんChatGPT-4で作ったと思います。ずっとChatGPTとやり取りしながら取材してもらって、僕の思いをずっと話したり、ホームページのこういうところを使いたい、という話をしたりしながら作って、2か月弱で本ができました。
AIエージェントは、最初うまくいきませんでした
このときは、まだAIエージェントを使っていませんでした。AIエージェントはいいぞ、というのは、そのときからいろんな方が言っていました。ただ、Claude Codeは最初、Macにしか対応していなかったので、やっていませんでした。
Geminiが使えるぞ、となったときにはGemini CLIを使ってみたり、Antigravityが出たときにはAntigravityを使ってみたりしました。教材を買って、やってみたりもしました。でも、なんだかうまくいきませんでした。ブラウザでもだいぶ思うことができるようになってきたから、まあいいかな、と思っていました。
2026年3月、もう一度向き合ってみた
今年の3月、AIエージェントにもう一度向き合ってみよう、と思いました。向き合ってみたら、そのときにはもう、WindowsでもClaude Codeが使えるようになっていました。
VS CodeにClaude Codeをインストールして、作業させてみたら、世界が変わりました。本当にびっくりしました。最初はホームページのリライトをしてもらっていたんですが、本当に最初から最後までやってくれるようになりました。
ここで、いままでできなかった壁を越えました。僕、予約システムを作りたかったんです。作ってもらったら、作れちゃいました。3時間ぐらいです。本当に午前中で、ある程度のものができてしまいました。いまも何のストレスもなく動いていて、しかも維持費は0円です。ランニングコストのかからないシステムが作れました。
- 本は4冊増えて、いま5冊。6冊目を書いているところ
- 音声配信を話し終わってClaude Codeに投げると、それぞれのSNS媒体に合わせて文章を作ってくれる
- いまは、それをさらに進化させようとしていて、会計システムを作っている
自分の仕事の量は、確実に10倍ぐらいにはなったと思います。
ようやく、売上につながってきました
ただ、なかなかマネタイズというところまでは、うまくいっていませんでした。ようやく先月、院の売上が過去2番目に良い月になりました。
もちろん、AIだけじゃないと思います。でも、AIを使っていろいろと分析させてもらって、何にリソースを割いたらいいのかを取捨選択しながらやることができました。ある程度、一定の成果が出たのかな、と。ようやく、売上に貢献することができたのかな、と思っています。(くわしくは前回の記事に書きました)
まとめ|拡大だけが、全部じゃない
- 開業半月は17人・6万円……知り合いのいない町で、とにかく人に会いに行った
- 最初の壁はお金……兄の「仕事を放棄してるぞ」で通院指導を始め、翌月1.6倍
- 仕組みを学んで月商100万円……200万円は、まったく絵が浮かべられなかった
- 台風とコロナで、売上は半分に……攻撃より守り。でも、まだ揺れていた
- 40歳でJCを卒業し、拡大をやめた……仕事以外は家族に全振り。比べることから降りた
- Claude Codeで世界が変わった……予約システムは3時間・維持費0円。本は5冊。音声から全SNSへ
拡大だけが全てじゃない。とはいえ、自分が幸せだと思えるだけの売上は作っていく。そして、自分の人生の舵を自分で取りたい人に向けて、これから発信を続けていこうと思っています。
そんなことをやっている人間です。AIとともに、ひとり治療院の自立化ということで、自分ひとりでも、というか、自分が好きな人たちと楽しく生活ができて、仕事がずっと続けられる仕組みを、僕自身の経験をもとに発信していきます。僕と同じような感覚の人は、絶対いると思います。
用語一覧
- 通院指導…良くなるまでにどのくらいの間隔で、何回くらい通うとよいかを、施術者から患者さんに伝えること
- 予約率…受け付けられる予約枠のうち、実際に予約が入った割合
- 月商…1か月の売上
- JC(青年会議所)…40歳までの若手経営者などが地域のために活動する団体。40歳で卒業になる
- AIエージェント…指示を受けて、自分で調べたりファイルを作ったり作業を進めたりするAI。ここではClaude Code
- Claude Code(クロードコード)…Anthropic社のAIエージェント。パソコンの中で、ホームページの修正やシステムづくりまで進めてくれる
- ランニングコスト(維持費)…作ったあと、動かし続けるために毎月かかる費用
【無料】一人治療家のAI自立化メルマガ
ひとり治療院の「攻め」と「守り」を、現役の鍼灸師が実務の言葉で配信しています。
拡大だけが全てじゃない。自分の人生の舵を自分で取りたい治療家へ。
- ✅ ホームページ・予約・SNSを、AIで自分で回す方法
- ✅ コンサルに頼らず、院の数字と次の一手を自分で決める
- ✅ 現役でひとり治療院を回しながら書いています
登録無料・いつでも解除できます
関連コンテンツ
- 9月の院の売上は、過去最高まであと5,000円でした|AIエージェントが、ようやく売上につながったのかなという話
- 予約システムを自作する方法|AIエージェントで3時間・月額800円のオリジナル予約システムが作れた
- 脱WordPressを始めました|ホームページを「AIが触れるか」で選び直した話
矢上真吾について
鍼灸師歴24年。合同会社e-life代表。和からだみなおし処 院長。著書5冊。
ひとり治療院のAI自立化サポートをやっています。コンサルに頼らず、院長自身がAIを使って集客・仕組み・経営を回せるようになることを目指しています。
この回は音声でも配信しています。ポッドキャストで聴く